院長の奥井です。
今回は歯の外傷について説明したいと思います。
特に小児患者様の場合、転倒して歯に当たってしまい
歯の外傷を受けることはよくあると思います。
歯の外傷で多いのは
「歯の脱臼」
「歯の破折」
「歯の換入(かんにゅう)」
などだと思います。
受傷した場合はできるだけ早く来院されることをお勧めします。
歯の外傷への対処については調べますと出てくると思いますので、
今回は対処法に焦点を絞ってお伝えしたいと思います。
画像は2歳の小児患者様が下の前歯をぶつけたとの事でした。
多少の動揺があり。接着剤で固定しました。
固定する意味は、グラグラした状態では噛むたびに歯に当たって
痛いのと安静を図るためです。
この場合も下の前歯の乳歯をぶつけたとの事でした。
レントゲンを撮影しますと点線部分は歯根膜という歯と
歯槽骨をつなぐ膜なのですが、外傷で脱臼しているため
黒さが増し、広がっているのがわかります。
この場合も接着剤で固定しました。
接着剤は約3週間後に撤去しますが、低年齢の場合
無理に取らない場合もあります。簡単な接着剤ですので
自然に取れてしまうこともよくあります。
画像のように上の前歯が外傷を受けていますが、
針金で固定した方がしっかりします。
しかしあまりに低年齢の場合、万が一固定装置が
外れてしまった場合に針金を飲み込んでしまう
危険もあり低年齢の場合、針金は付けておりません。
上の前歯が破折した場合です。
その時の口腔内写真はあありませんが神経に近く一旦詰め物で
終了としました。
やや上の前歯に変色が認めtられます。
レントゲンでは根の先に膿が溜まってきました。
やはり神経が感染し神経が死んでしまったものと思われます。
神経を取る治療を開始しました。
神経に薬を入れた状態です。
8年経った状態です。
歯の変色は見られますが歯が腫れたりとかは
していません。
レントゲンを撮影しても膿はなく経過は良好です。
歯の外傷を起こした場合、まずは歯科医院に受診することを
お勧め致します。
そこで適切な処置を行なっても将来、神経を取ることに
なる可能性もあります。
その場合は神経を取る治療を行い、また特に永久歯の場合は
時々レントゲンを撮影し経過を確認していく必要があると思います。
お気軽にご相談下さい。