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理事長BLOG

実はとっても欠かせない!「唾液」の役割について

2026年2月9日

歯科医師の今飯田です。

今回は唾液の役割について説明したいと思います。


<唾液の分泌量や性状について>

唾液(だえき)(口語表現では「つば」)は、唾液腺からお口の中に常に分泌されている

身近なものでもあり、大切なものでもあります。

無味無臭の無色透明で、成人の1日の総唾液分泌量は1.0~1.5Lといわれていますが、

個人差や体調や環境の変化などにより分泌量は必ずしも一定ではありません。

また、成分のうち99%以上は水分にもかかわらず、漿液性(しょうえきせい)

(=サラサラしたもの)や粘液性(ねんえきせい)(=ネバネバしたもの)といった

性状の違いも備えています。


<唾液の役割について>

以下に、唾液の役割についてご紹介します。

(1)消化作用

 唾液は消化液でもあり、唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素がデンプンや

 グリコーゲンを加水分解してデキストリンを経てマルトース(麦芽糖)まで

 消化します。

 また舌にある小唾液腺(エブネル腺)からはリパーゼ(脂肪分解酵素)を含む唾液が

 分泌されるため、舌の表面にある味蕾(味を感知するセンサー)の表面をきれいに

 したり、脂肪の初期消化にも関与してくれます。


(2)円滑作用

 唾液の水分とムチン(粘液の主成分となる糖タンパク質)は食物を湿潤して

 食塊(しょっかい)(=食物が唾液と混ざって飲み込みやすくなった塊)の形成を

 補助し、嚥下が円滑に行われるようにします。

 また、食事や会話のときに舌や口唇の運動を円滑にしてくれます。

(3)抗菌・殺菌作用

 リゾチームやペルオキシダーゼといった酵素に加え、ラクトフェリン(多機能性の

 糖タンパク質)や免疫グロブリン(Ig)(抗体の機能を持つタンパク質)などにより、

 抗菌・殺菌作用を発揮してくれます。

(4)緩衝作用

 唾液にはお口の中を酸性やアルカリ性に傾かないよう中和する作用があり、

 唾液中の重炭酸塩やリン酸塩といった緩衝系があります。

(5)保護作用

 ムチンは粘膜に付着する性質があり、粘膜を乾燥から防いでくれます。

 また、ムチンやアミラーゼなどの糖タンパク質は歯の表面にあるエナメル質に

 吸着して獲得被膜を形成し保護してくれます。

(6)抗脱灰作用

 重炭酸塩の作用は、細菌が産生する酸を中和して歯の脱灰(エナメル質の溶解)を防ぐ

 作用があります。

 また、カルシウムイオンやフッ化物イオンなどを含む唾液は、飲食などで一時的な

 脱灰状態になった歯のエナメル質に再石灰化をもたらしてくれます。

(7)味覚発現作用

 舌の表面には味蕾(味を感知するセンサー)があり、味物質を味蕾に届けるには唾液に

 溶解しなければならず、唾液に溶解することで味覚を発現してくれます。

(8)洗浄作用

 唾液は歯や粘膜に付着した口内細菌や食物残渣(食べかす)を洗浄してくれます。

(9)排泄作用

 唾液は血漿を元にして作られるため、血液中の不要な物質なども分泌すると

 いわれています。

(10)水分平衡作用

 これまでの作用をもたらすには、お口の中を適度に湿潤させる必要があるため、

 お口の中の水分量を調整する役割もあります。

 また、唾液の減少には体液量(体の中の水分量)の減少や血液浸透圧の上昇に影響を

 受けるため、お口や喉の渇きを感じることで水分補給を促してくれます。

(11)その他作用

 唾液中には神経成長因子、上皮成長因子、線維芽細胞成長因子が含まれている

 ため、 口腔粘膜の成長や修復に作用してくれます。

このように、日常の生活を円滑に送ることができるためにも、唾液はとても大切な

役割を備えているものであることがわかります。

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