院長の奥井です。
今回は変色しない被せ物、ジルコニアボンドクラウンとオールジルコニアクラウンに
ついて説明します、
その前に歯の周りを360度削って全て被せるものをクラウンといいます。
画像の右にあるものが銀歯です。
ちなみに部分的に削って被せるものをインレーといいます。
右側は真ん中に歯が失われた歯を両隣インレーで繋げた
インレーブリッジといいます。
虫歯の範囲が少なければインレーで対応できますが、範囲が大きくなった
場合や噛み合わせが強く欠けやすい場合など、または神経をとらないと
いけなくなった場合はクラウンとなります。
クラウンは以前までは銀歯が主流でした。
しかし銀歯は強度がありますが、金属が溶け出してアレルギーの可能性が
あること、また歯と接着しませんので内部に虫歯ができる可能性があることより
健康保険ではCAD CAMクラウンというプラスチックが適応になりました(大臼歯(奥歯)は一部
使用できません)。
しかしCADCAMクラウンは変色やまた強度的に弱いという欠点があります。
これに比べジルコニアクラウンは割れにくく変色しないという利点があります。
そもそもジルコニアとは、ジルコニアに酸化イットリウムや酸化カルシウム、
酸化マグネシウムなどを添加して結晶化させたもので、装飾用に開発された人工石のことです。
屈折率が高く、ダイヤモンドに似た輝きを放つので、「人工ダイヤモンド」と呼ばれたりもします。
ただしジルコニアクラウンは保険適応外となります。
右がCADCA Mクラウンで、左がオールジルコニアクラウンです。
写真では分かりづらいですが、ジルコニアは輝きを放ち
CADCAMはプラスチックで割れやすいのが実物を見ると
分かります。費用の問題もありますが、大切な歯にアレルギーの
可能性がないとはいえ脆い材料を入れることはあまり良いとは
いえません。
画像はジルコニアボンドクラウンです。
ジルコニアには全てジルコニアでできたオールジルコニアクラウンと
ジルコニアの上にセラミックスを貼り付けたジルコニアボンドクラウンと
あります。青矢印の上がセラミックス部分です。
歯の材料で最高な材料はセラミックスです。なぜなら歯の表面のエナメル質の
硬さに一番近いものがセラミックスで変色、摩耗しないからです。
そう考えると全てセラミックスがいいということになりますが、セラミックスは
かけやすいという欠点があり、患者様の歯の状態を選ばないと全てセラミックスの
治療は割れたり欠けたりしてしまいます。
そのためジルコニアのフレームにセラミックスをのせたジルコニアボンドクラウンが
頻度が多く作られます。
また大臼歯(奥歯)で噛む力が強い場合はジルコニアボンドクラウンではセラミックスが
かけてしまう場合があり、その場合はオールジルコニアクラウンを選択します。
またそれでも力が強い場合はジルコニアはよほどかけませんが、中で歯根が割れて
抜歯になる場合がありますので、ナイトガードの装着が必要な事もあります。
ジルコニアボンドクラウンやオールジルコニアクラウンなどの自費の被せ物の
型取りの場合は、歯肉圧排(しにくあっぱい)といい歯茎に糸を押して歯茎を
一時的に下げて歯と歯茎の境目をしっかりと型取りできるような作業を行ないます。
画像は上は圧排する糸で下は圧排する器具です。
画像は圧排する糸を入れているところです。
ジルコニアが装着されたところです。
画像は被せる前に状態の銀歯です。
歯肉の状態も上の方が良好です。
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