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理事長BLOG

電気診 歯の神経が生きているか調べる検査について

2023年4月6日
院長の奥井です。
今回は電気診 歯の神経が生きているか調べる検査について
説明したいと思います。

歯の神経を歯髄(しずい)と言います。歯の表面にはエナメル質、
その中には象牙質、そしてその中に歯髄が存在しています。
虫歯は虫歯菌が糖を栄養源にして酸を産出し、エナメル質を溶かし
進んでいきます。エナメル質の次は象牙質を溶かし、さらに進みますと
歯髄にまで到達します。

歯髄まで虫歯が進行しますと歯髄炎となり冷たいものや熱いものに
しみたり、もっと進行しますとズキズキと痛くなったりします。
神経の中に細い血管があり、細菌により容易に血行障害を起こして
しまいます。その場合は神経を取らないといけません。

その歯髄炎の診断をするにはさまざまな検査があります。
エアーや水をかけて痛いか判断したり熱く熱したゴムを当てて痛いか調べる温度診などあります。実際に歯を削って痛いか調べる切削診もあります。

その検査の中でも電気歯髄診断機にする電気診があります。


画像のレントゲンの転線部分は詰め物が詰めてあります。
しかしその横の黒い棒線のようなものが歯髄で、詰め物が
かなり歯髄に近づいています。
あまりに近接していますと神経を保護しきれず歯髄炎になる事が
よくあります。


画像が電気歯髄診断機を用いた電気診です。

弱い電流を歯に通電して電気的刺激を与え、歯髄神経を刺激して誘発させた痛みあるいは違和感の有無によって、歯髄の生きているか調べます。
とても診断精度が高く、歯髄に損傷を与えないことがメリットです。
しかし歯髄電気診に対して歯髄が正常域で反応したとしても、それは歯髄が生きていることの証であって、決して歯髄が正常であるということの証明にはならないという問題点もあります。
また鎮痛剤や精神安定剤を服用しているなどの条件下では、偽反応を示すこともあります。

よって歯髄の生死をより正確に診査するためには、先ほどの温度診などや切削診を併用する必要があります。
なお、電気診は心臓ペースメーカーを装着している患者様には使用できません。

また電気診は電流を流すため痛みを感じたらすぐに電流が止まるようにしないといけません。

歯髄炎の症状により歯髄を取らないといけませんが、歯髄を取ると歯の感覚がなくなります。
乾燥し割れやすくなったり、また虫歯になっても痛みを感じなくなりますので不要に
神経を取るのでなく、しっかりと診断をしてから行なう必要があります。


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