院長の奥井です。
今回は神経に近い虫歯の場合に使うMTAセメント療法について
説明したいと思います。
MTAセメントについては過去に投稿したことがありますが
今回は再度詳しく説明したいと思います。
虫歯が神経に近い場合、そのまま詰め物を詰めますと簡単に言いますと
神経を保護しきれず熱いもの冷たいものにしみてきたり、結果として
神経を取らないといけない可能性が高くなります。
神経を取ると歯が割れやすくなったり、虫歯になっても気づかず進行して
しまうこともありできるだけ神経は残した方がいいです。
ですから神経に近い場合、覆髄剤という薬を敷くのですが、素材に閉鎖力や
親和性がなければ結局、最近が漏洩してしまい神経を取らないといけなく
なります。
そこで使われるようになったのがMTAセメントです。
MTAは親和性が強く閉鎖性も良いため、神経を残せる可能性が高まります。
しかし保険外のため当院ではMTAセメントを詰める処置に33,000円かかります。
しかしどうしても痛みが出て神経を取らないといけない場合もあります。
しかし神経を残すことはとても大切な事と思います。
MTAの処置の実際ですが、まず歯の周りにある
緑はラバーダムというゴムを張っています。
これは唾液中の最近が侵入を防ぐためです。
矢印部分が極めて神経に近い部分で、○は虫歯が深く
歯茎の部分まで虫歯が進んでいることを現しています。
次亜塩素酸で殺菌しています。
グレー色のものがMTAです。MTAを敷いたところです。
上から仮のセメントを詰めて後日プラスチックを
詰めたり金属を被せたりします。
1年半経過しましたが◯部分に黒い影があると
神経が死んで膿んでいる事になりますが、その様子もなく「
症状もないです。
保険外にはなりますがMTAセメントは神経に近い場合や
また虫歯を削っていたら神経まで進行していた場合に
最適と思います。
しかしMTAでも元々しみたり噛むと痛いケースはすでに
神経に症状がある事になり成功が難しいと言えます。