院長の奥井です。
今回は残根(ざんこん)上の義歯について説明したいと思います。
残根(ざんこん)とは歯の根っこのみ残った場合を指します。
虫歯の段階でC1とはC2とか学校検診で聞かれたこともあると
思いますが、Cはカリエス(虫歯)の略で数字が大きくなるに
従い重くなりC4となりますと虫歯が進み過ぎて根っこだけに
なってしまい抜歯対象となります。残根はC4の事です。
ただし高齢者など全身的にご病気があり抜歯をできれば避けたほうが
良い場合もあります。
血液サラサラになるお薬を飲まれて抜歯した時に血が止まりにくかったり
弁膜症などで抜歯をしたら血液を介して細菌が心臓の中に入り
心内膜炎を起こしやすかったりなどありますが、抜歯前などにかなり
注意をすれば抜歯してはいけないケースはかなり少ないと思います。
しかし患者様によっては抜歯をしたくないというご希望の場合もあります。
その場合は残根を削って平らにし、その上に入れ歯を入れる「残根上の義歯」
となります。
画像は残根になります。残根になりますと根管という
神経が入ってた管が露出します。そこからの感染を防ぐために
プラスチックなどでキャップをします。
画像に3本残根が写ってますが、それぞれ真ん中に白い
プラスチックが詰めてあります。
しかし歯磨きがしにくく周りは赤く腫れ、またプラスチック
表面には歯垢が付き汚れています。
また残根は浮き上がって来ることもあり、舌で触ると尖っており
舌に傷がつくこともあります。
残根を削って尖りをなくしました。
入れ歯が装着された状態です。
このように本来、残根は抜歯すべきですが患者様の希望で残すことも
あります。その場合常に不衛生になってないか、また尖っていないか
そして感染していないかを確認していく必要があります。
定期的な受診をお勧め致します。