前癌病変について説明したいと思います。
口腔扁平苔癬とは口腔粘膜に生じる難治性の慢性炎症性疾患の一つです。
いわゆる治りづらい粘膜の疾患です。歯科では比較的よく見かける口腔粘膜疾患です。
口腔扁平苔癬とは、口腔粘膜に生じた角化異常です。いわゆるピンクである筈の粘膜が、口腔粘膜、特に頬粘膜に両側性に白いレース状(網状)の病変を形成することが多く、びらんや潰瘍を伴うときもあります。
口腔扁平苔癬は、40歳以降の女性に多く発症するものです。
口腔扁平苔癬は原因や発症のメカニズムが未だによくわかっていないため、確立された治療法はなく、症状に合わせて行う対症療法がメインとなります。
画像は口腔扁平苔癬です。
レース状の模様が見られます。
口腔扁平苔癬の症状は、自覚症状が全く無いものから、口を開けた際に感じる突っ張り感や違和感などの軽度なものや熱いまたは辛い食べ物や歯磨き粉がしみて痛いなどの刺激痛。そして食事や会話の際に粘膜が擦れて痛いなどの接触痛を自覚するものまでさまざまなものがあります。
口腔扁平苔癬は、口腔癌との鑑別が必要なこともあり、その際には組織を採取する部位が
重要になります。そのため口腔外科専門医がいる総合病院や大学病院の口腔外科で検査を行うことをお勧めします。
しかしこのような粘膜の症状がある場合は、近くの歯科で相談されることを
お勧め致します。