院長の奥井です。
今回は認知症患者さんの入れ歯治療についてです。
当院では訪問歯科診療を積極的に行っております。
施設の患者さんで入れ歯を作ってほしいと希望を受ける場合がよく
あります。
まずその前に施設の患者さんの場合、福祉給付受給者証をお持ちで
自己負担金がかからない場合と。かかる場合とあります。
また負担割合も1割と3割では、例えば1割の方が3000円ほどの
負担金であった場合、3割負担の方の場合9000円となります。
負担金の有無や金額をご家族の方に事前にお伝えさせていただいております。
そしてとても大切なのは患者さんが入れ歯を受け入れてくれるかどうかが
大切になります。
基本的なADL 日常の見当識、言語の流暢性、食事や更衣の自立など
や、お口のADL うがいの可否、入れ歯の取り外し、お口のお掃除の自立度
が低下している患者さんは入れ歯を作っても使用率は低いという報告があります。
ただ全ての当てはまる事ではなく、たとえその自立度が低くても入れ歯を使用
できる場合もありますのでひとつの目安になります。
入れ歯を作っても自分で取り外しが難しい場合、ご家族や介護の方が取り外しを
協力してくれるのかも大切です。
また入れ歯を作り直すのではなく、慣れた入れ歯を修理する事の方が適応できる場合も
あります。入れ歯の針金をしっかりとしたタイプにすると外れにくいですが、その代わり
ご自身で外しにくくなるという側面もあります。
認知症の患者さんの状況に合わせた対応が必要であると思います。