歯科医師の今飯田です。
今回は歯周病と関節リウマチについて説明したいと思います。
<関節リウマチについて>
体の中には、免疫というものが存在します。
免疫とは、細菌やウイルスなどの「病原体」や、がん細胞といった「異物」を
自己(自分)と非自己(自分でないもの)に識別し、攻撃して体を守ってくれる
生体の防御システムを指します。
その免疫のシステムが本来の働き方をせずに自分の関節を攻撃することで
炎症を引き起こしてしまい、痛みや腫れ、こわばり(関節が硬く動かしにくく
感じる状態)、発熱などが生じてしまうのが関節リウマチという病気です。
進行すると関節のが破壊され、日常の生活に支障が出てきてしまうため
早期発見・早期治療が重要といわれています。
<歯周病と関節リウマチの関係性について>
“歯ぐきに影響を与える病気が歯周病”
“関節に影響を与える病気が関節リウマチ”
両者を比較してみてもあまり関係がないように思えるかもしれませんが
実のところ互いに影響し合うことがわかっています。
・歯周病菌が関節リウマチの発症リスクを高めたり、関節リウマチの悪化を促す。
・お口の中の細菌のバランス(口腔フローラ)の乱れが、腸内細菌のバランス
(腸内フローラ)に影響し関節リウマチの発症や悪化に影響する。
・関節リウマチの治療薬の効果が弱まったり、薬の影響で歯周病になりやすくなったり
悪化しやすくなる。
・関節リウマチは骨粗鬆症とも合併しやすいため、歯周病の悪化リスクが高まる。
・関節に痛みやこわばりなどで毎日の歯磨きやお口のケアが難しくなり
歯周病に影響する。
<歯科医院での対策>
毎日の歯磨きを中心としたセルフケアが重要になります。
加えて、歯科医院への定期的な受診やクリーニングを受けることをおすすめします。
歯周病菌のすみかにもなる歯垢や歯石の除去といったプロケアもでき、セルフケアが
難しい方やうまくできない方にも様々なアドバイスをすることができます。
歯周病の治療も大切になりますので、困ったことや気になることがあれば
お気軽にご相談ください。














