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理事長BLOG

骨性癒着歯の抜歯と減張切開(げんちょうせっかい)について

2024年2月15日
院長の奥井です。
今回は骨性癒着(ゆちゃく)歯の抜歯と減張切開(げんちょうせっかい)について
説明したいと思います。

骨性癒着歯とは歯と周りの骨がくっついている状態です。
通常、歯の根っこの周りには歯根膜という靭帯がついており
歯根膜と歯が結合しています。歯根膜は伸び縮みしますので
歯は動くのです。
しかし歯根膜が何らかの原因でなくなり、骨と直接くっついてしまうと
場合によっては歯が吸収といって溶けてしまうこともあります。
また骨性癒着歯の抜歯は難しくなります。通常、歯には歯根膜があるので
歯根膜がちぎれて歯が抜歯できるのです。骨性癒着歯の場合は
歯根膜がないため、いわゆる「脱臼」して抜歯することができません。
そのため歯肉を剥離(はくり)といって切開し開いて骨を削らないと
抜けない事が多いです。


骨性癒着歯です。歯の長さが両隣よりもかなり長く
また中もかなり虫歯で歯が弱っているため抜歯と
なりました。


レントゲンでは点で囲まれた部分に黒いものが
混ざ歯が溶けているのがわかります。


歯茎を切開しますと点の部分が根っこになります。
周囲の骨を削って抜歯を行いました。


抜歯を終えた状態です。

ここで縫合をするのですが減張(げんちょう)切開という
切開法があります。
骨の表面に骨膜という膜がありますが、たとえば抜歯しますと
歯のあった部分は穴が空いてしまいそこに血液の塊が溜まり
止血するのですが、出血が心配な場合など歯茎を引っ張って
穴を隠す必要があります。
そこで骨膜のみを切開しますと歯茎を伸ばすことができます。
それが減張切開と言います。


点の部分が骨膜です。ここのみを切開しますと
歯茎を伸ばす事ができます。


減張切開を行い縫合したところです。
歯があった穴が完全に塞がれています。

癒着歯の抜歯や減張切開はテクニックが必要です。
抜歯にもいろいろなケースがありますので、
紹介させていただきました。

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