今回は持たないかも知れない歯を治療すべきかについて
説明したいと思います。
たまたまお店で「持たないかも知れませんが、とりあえず治療しますと
言われて治療したけど結局抜歯になった。それならば最初から抜歯して
インプラントにすべきだった」という話が聞こえてきました。
これはよく聞く話であります。
ではどうして治療したのか、またどうして抜歯になったのかを
考えたいと思います。
まず明らかな抜歯すべき歯は、まず残根と言って虫歯が大きくなり
根っこだけ残ったしまったケースです。よくいう差し歯というものが
ありますが残根では差し歯をさす長さもありません。
残根については下記に投稿しています。
https://okui-dc.jp/2024/11/03/%E6%AE%8B%E6%A0%B9%EF%BC%88%E3%81%96%E3%82%93%E3%81%93%E3%82%93%EF%BC%89%E6%A0%B9%E3%81%A3%E3%81%93%E3%81%AE%E3%81%BF%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E6%AD%AF%E3%81%AE%E6%8A%9C%E6%AD%AF%E3%81%AB/
また歯の破折も抜歯になります。破折や亀裂と言ってヒビが入った歯は
破折した部分から感染を起こすため腫れたり痛みが出たりするためです。
破折については下記に投稿しています。
https://okui-dc.jp/2023/05/28/%E6%AD%AF%E6%A0%B9%E7%A0%B4%E6%8A%98%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6
そして歯周病が進行しすぎて周囲の骨がなくなった場合です。
支えがないのでグラグラしてしまうためです。
画像のように周囲の骨がない場合です。
他にも抜歯の原因となる場合はあります。
今回の治療しても抜歯になった歯というのは根の治療、根管治療を
行っても治らなかった場合は多いと思います。
画像の一番右の歯のように周囲が黒くなっている歯を
根管治療することがあると思います。
思ったより黒くなっている部分(骨が吸収している部分です)
が治らなかったという場合は多いと思います。
画像の歯は黒い部分が根を取り囲んでいますので。このような
場合はヒビが入っている場合が多く治療しても治らないと
思います。
しかし例えば根の周りが黒くても根の治療で治る場合も
あります。
最初からインプラントをというのも一つの考えですが、
歯とインプラントの最大の違いは
「歯根膜があるかないか」
です。
歯根膜は歯の根についた靭帯です。
画像の赤い部分が歯根膜です。
この歯根膜は歯を支え衝撃を吸収したり細菌感染を防ぐバリヤーの
役割を果たします。
インプラントには歯根膜はありません。
ですから歯に比べますと細菌感染に弱いと言えます。
しかし持たない歯を漫然と治療しているのならインプラントに
した方が良い場合もありますので、しっかりとした
見極めが必要であると思います。
この記事は院長が投稿しました。
プロフィール
医療法人爽誉会おくい歯科 院長 奥井英幹
1999年より名古屋市北区で開業しております。
骨造成を含むインプラント治療 ワイヤー装置を用いた
全顎矯正治療に歯周再生療法 小児矯正と幅広く診療
しております。またスタッフ採用、教育にも力を入れ
十分な体制でのチーム医療を提供できるように
院内スタッフと診療にあたっています。
地域で一番の診療所を目指しております。