院長の奥井です。
今回はシングルデンチャー 片方が総入れ歯の場合について
説明したいと思います。
シングルデンチャーというのは上下総入れ歯ではなく片方だけが
総入れ歯の場合を指します。
以前上の場合で投稿させていただいた事があります。
https://okui-dc.jp/2022/01/20/%E5%85%A5%E3%82%8C%E6%AD%AF%E3%81%AE%E7%97%9B%E3%81%BF%E3%81%8C%E7%B6%9A%E3%81%8F%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%AB%E3%80%80%E8%BB%9F%E3%82%89%E3%81%8B%E3%81%84%E5%85%A5%E3%82%8C%E6%AD%AF%E7%B4%A0%E6%9D%90/
今回は下の場合を説明致します。
画像のようなレントゲンの場合、下に全く歯が
残っておらず上に被せ物をした歯がたくさん残っています。
この様な場合は、往々にして下の顎の骨が痩せて
痛みを伴う場合が多いです。
上にしっかりとした被せ物がかぶさっています。
下の顎の骨がとても痩せています。
この様な場合に入れ歯を作る場合に気を付ける事ですが、
①左右前後を均等に噛み合わせを当てること
どこかだけ当たっているとかバランスが崩れると
痛みが出ます。
②入れ歯自体を大きくしすぎない事。
総入れ歯の場合はできるだけ大きくして粘膜での負担を
分散するようにさせますが、この場合、お口も小さく
顎の大きさに合うように作り直しました。
③入れ歯の奥歯の数を場合によっては減らず事
たくさん歯を並べると噛めるように思えますが、残っている歯茎の
部分よリも奥に歯を並べますと奥に痛みが出ます。
大臼歯の人工歯を通常の前後二つでなく一つにする事もあります。
④口腔乾燥がある場合、保湿剤を用いる。
口腔乾燥が強いとやはり入れ歯が擦れます。必要に応じて
保湿剤を付けることも必要です。
⑤場合によっては柔らかい素材で裏打ちしたり、安定剤を用いる。
どうしても改善が難しい場合はこれらも必要です。
入れ歯をはめた状態です。できるだけ上の歯と均等に当たっています。
お口を開いた状態です。
入れ歯が浮きがってきません。
側面から見た状態です。
総入れ歯は難しい治療です。
歯が全くありませんので維持するものがないからです。
特にこのようにシングルデンチャーは上下の噛む力の差がありますので
さらに難しいといえるでしょう。