こんにちは、保育士の高梨です。
今回も子どもの口腔機能(指しゃぶりの癖は治したら
良いのか?)について書いていこうと思います。
☆乳児期では、指しゃぶりは発達過程における生理的
な行為なのでそのまま経過観察してよいそうです。
☆1歳から2歳までは遊びが広がり、昼間の指しゃぶ
りは減少し、退屈な時に見られるに過ぎないので、
神経質にならなくて良いそうです。
☆3歳から就学前までは習慣化した指しゃぶりでも子
ども同士の遊びなど社会性が発達するにつれて自然
に減少することが多いそうです。しかし頻繁な指し
ゃぶりが続く場合は専門家に受診した方が良いです
(小児歯科医、小児科医、臨床心理士)
※長く指しゃぶりをし続けるとどのような症状がみら
れるのでしょうか?
①歯列・噛み合わせの異常がみられる。
→咀嚼機能が低下
咀嚼時間が長すぎる場合(口に入れてから嚥下完
了まで概ね1分以上のもの)はため込んでいる可
能性があります。
咀嚼時間が短すぎる場合(咀嚼回数が5回未満、
口に入れてから嚥下完了まで概ね5秒未満のも
の)は噛まずに丸のみしていることが多いです。
※適切な咀嚼回数は1口あたり25~50回を目安
にします。
※離乳食完了後は離乳食を通して口腔周囲筋、特に
舌を動かすことや安静時にしっかり口を閉じ、舌
を歯列より前に突出させないようにしましょう!
②舌の突出がみられる
→嚥下機能が低下
ヒトは1日約1.5リットルの唾液を嚥下してい
ますが、異常嚥下のある人ではそのたびごと
に舌を突出させて嚥下することになります。
舌突出癖は姿勢や歯列形態とも関連があり、
正しい姿勢にすることや形態の改善を優先す
る必要がある場合は矯正治療を行います。
③口呼吸になる(習慣性口呼吸)
→呼吸機能に問題
口呼吸が観察される場合、鼻腔や上咽頭部の
通気障害がある可能性があります。
※鼻呼吸の習得
・しっかりと口を閉じて鼻から息を吸って、
鼻から吐くことを繰り返し、深呼吸をする
・口呼吸があると通気感に乏しく、鼻で吸う
吐くという動作を一度に習得するのは難し
いため、鼻から吸って口から吐く、口から
吸って鼻から吐く動作も補助的に行っても
良いです。
・あいうべ体操
(授乳期②で書きました
『あいうべ体操』を参照にして下さい)
④舌足らずの発音になる
→構音機能の低下
☆「構音」とは?
言語音をつくる過程の一つで肺から送られてき
た呼気が声帯の間を通過するときに、声帯を振
動させて音声を生じさせること
☆授乳期間が長引くと舌足らずの発音になってしま
う可能性があります。
★指しゃぶりの原因は?
①心理的ストレスによる心のサイン?
②乳児期の生理的な指しゃぶりが習慣化して残った
癖でしょうか?
どちらも保護者は生活リズムを整え、外遊びや運動を
させてエネルギーを十分に発散させたり、手や口を使
う遊びを増やしたり、好きなぬいぐるみを持たせたり
寝つくまで子どもの手をさすって安心させたりするこ
とが必要です。
★もし指しゃぶりをしてしまっても叱らず、励ますこ
とを繰り返してくださいね。
※参考文献 『子どもの口腔機能を育てる本』
医歯薬出版株式会社
☆当医院では毎週火曜日金曜日9時から
16時半まで保育士がおります。
お子様が0歳からお預かりさせて頂きますので
ご予約お待ちしております!