今回は上の奥歯のインプラントについて サイナスリフトとは?
について説明したいと思います。
インプラントを希望された患者様で上の奥歯は難しいからと
断れた事はないでしょうか。
上の奥歯はサイナスと呼ばれる空洞があり副鼻腔とも呼ばれています。
そのサイナスが大きい場合に残っている骨が少なく、サイナスいわゆる
上顎洞の粘膜を持ち上げる処置が必要だからです。
上顎洞の粘膜を持ち上げる処置はソケットリフト、サイナスリフトと
いいます。
ソケットリフトは比較的持ち上げる量が少ない場合に行われる処置です。
下記に投稿しております。
https://okui-dc.jp/2025/10/12/%e3%82%bd%e3%82%b1%e3%83%83%e3%83%88%e3%83%aa%e3%83%95%e3%83%88%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/
そして上顎洞を持ち上げる量が多い場合にサイナスリフトを行います。
ドリルで残っている骨の長さぎりぎりまで削って、そこに特殊な器具を用いて
少しだけ粘膜を持ち上げるソケットリフトと違い、サイナスリフトは
あごの骨の側面に直径2センチほどの穴を開けて粘膜を広範囲に持ち上げますので
非常に技術的に難しい処置になります。
しかしサイナスリフトを行いますと奥歯にもインプラントを埋入することが
できるようになりますので、非常に有意義な処置となります。
画像のような場合、外から見るだけでは
サイナスリフトが必要かどうかはわかりません。
しかしレントゲンを撮影しますと矢印部分しか骨の長さがなく
点線部分がサイナスになります。これは5mm以上持ち上げないと
いけませんのでサイナスリフトが必要になります。
○で囲った部分、骨に穴を開けます。この時
粘膜を巻き込んで破らないように細心の注意を払います。
点線の中が粘膜です。シュナイダー膜ともいわれます。
生卵の内側にある膜ほどの厚みしかありません。
このシュナイダー膜を骨から剥がしていきます。
破らないように慎重にです。
剥がして持ち上げたスペースに人工骨を填入します。
当院の場合はここに採血させていただいた血液から
多血小板血漿の塊を作成し保護剤として貼り付けます。
青線の中がそれになります。
縫合を終えたところです。この場合では同時に
インプラントは埋入せず段階法としています。
約半年待ってからインプラントを埋入しました。
この場合は以前の投稿でも紹介しましたフラップレスという
切開を加えないでオペしております。
このようにサイナスリフトは非常に難易度の高い処置になりますが
奥歯のインプラントの埋入では必要な処置の一つとなります。
下記に当院のインプラントサイトがありますのでよろしければ
ご参照下さい。
https://okui-dc.jp/implant/
サイナスリフトの費用 220,000円
インプラント埋入手術代 220,000円
キャップ代 8,000円
テンポラリーアバットメント 19,800円
ガイド費用 99,000円
GBR(外側内側に骨が足りない場合、人工骨を補填する処置)
約100,000円
上部構造代 143,000円〜176,000円(R7年10月時点)
この記事は院長が投稿しました。
プロフィール
医療法人爽誉会おくい歯科 院長 奥井英幹
1999年より名古屋市北区で開業しております。
骨造成を含むインプラント治療 ワイヤー装置を用いた
全顎矯正治療に歯周再生療法 小児矯正と幅広く診療
しております。またスタッフ採用、教育にも力を入れ
十分な体制でのチーム医療を提供できるように
院内スタッフと診療にあたっています。
地域で一番の診療所を目指しております。