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理事長BLOG

残根(ざんこん)根っこのみになった歯の抜歯について

2024年11月3日
院長の奥井です。
今回は残根(ざんこん)根っこのみになった歯の抜歯について
説明したいと思います。

虫歯が大きくなりすぎますと残根(ざんこん)といい根っこのみに
なってしまいます。
もちろん抜歯の適応となりますが、残根の抜歯は難しい抜歯の一つです。
例えば歯冠(歯の頭の部分)が残っている場合、歯冠を鉗子(かんし ペンチの
ようなもの)で掴んで抜歯しますが残根の場合は掴むことができません。
そのためヘーベルというくいのような器具を歯と歯茎の間に入れて脱臼させて
抜歯することになりますが、残根の場合はヘーベルを入れる隙間がなく
歯茎を切開して顎骨を露出させてヘーベルを入れる場所を作ることが
多いです。
しかし歯茎を切開しますので骨が露出するため感染のリスクに晒される
事や腫れやすかったりします。
私はできる限り切開しないで済めば切開しない抜歯を心がけています。


青点で囲んだ部分が残根になります。
これでは保存できませんので抜歯となります。


麻酔をしてから2本根っこがある歯ですので
根っこを分離させて抜歯しやすくします。


歯と歯茎の間の部分を少し削ってからそこにヘーベルを
挿入し脱臼させます。
ガーゼは唇を押さえますので唇が口内炎になるのを
防ぐために入れています。手前の根っこが脱臼されています。


後ろの根っこを脱臼させています。
指はヘーベルが滑って舌の下などに突き刺さったりする
事故を防ぐためです。


歯茎を切開せずに抜歯を終えることができました。


抜歯された根っこです。

残根の抜歯は日常的に行われる歯科治療の一つですが
難しい治療の一つになります。
根が癒着している場合など1時間以上かかることもあります。
しかしこのような根っこを残していても感染の元になりますので
抜歯されることをお勧め致します。

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