院長の奥井です。
今回は咬合採得(こうごうさいとく)について
説明したいと思います。
咬合採得とは入れ歯や被せ物を作るときに上あご、下あごがどこで
噛んでいるかを調べる作業になります。
極端な話ですが1本だけの被せ物や入れ歯を作る場合は咬合採得が
なくても作ることは可能です。それはたくさん歯が残っていれば
どこで噛んでいるか上下の模型を合わせれば大体噛み合わせが
わかるからです。
しかし歯の数が少なくなってくると、模型にした場合にどこで
噛んでいるかわからなくなるため咬合再特派必要となります。
画像のような場合、上は前歯がなく、奥歯が残っており下は奥歯がなく
前歯が残っているいわゆる『すれちがい』咬合と呼ばれています。
正しい噛み合わせはこのようになり、青丸部分の空間ができるはずです。
しかし当たっている歯が少ないため下の画像のようになってしまいます。
重力に負けて上の歯が下の歯茎に当たってしまいます。
青点部分でしか当たっていないのでそうなります。これでは正確な
入れ歯が作れませんので、咬合床(こうごうしょう)を噛んでもらう
咬合採得が必要になります。
これが咬合床になります。
赤い部分はワックスでできており火で溶かして調整します。
ピンクの部分はプラスチックです。
咬合床をはめてもらい噛んだ状態です。これで噛み合わせが安定しました。
このように残存歯といい残った歯が少なくなった場合は咬合採得が必要と
なります。
このステップがないと高すぎたり、低すぎたりする入れ歯や被せ物が
できてしまいます。
そのため咬合採得は入れ歯や被せ物を作る上で重要なステップと
言えるでしょう。