院長の奥井です。
今回は 高齢者の虫歯治療について 被せ物の根元の虫歯の場合について
説明したいと思います。
高齢者の場合、血圧が高かったりまた血液がサラサラするお薬を
飲まれてみえたり、そして体力的に長時間の診療が辛い場合が
あるかと思います。
そうような事も踏まえて「杓子定規」な治療でなくある程度
「臨機応変」な治療を行った方が良い場合もあります。
例えば画像のような被せ物の境目が虫歯になっている場合が
よくあります。
高齢者の場合、唾液の量が減少しお口の中を洗い流す作用が
弱っていたりまたうまく歯ブラシが当てられない場合が多いためです。
このような場合は「杓子定規」な治療ですと被せ物を外して被せ直しに
なります。しかし来院回数が増えると治療が長時間に渡る可能性が
あります。
このような場合によく行われるのはセメントを
詰める治療です。
歯の治療ではレジンという硬いプラスチックを
詰めて光をあてると固まる素材をよく用いますが、
この場合はレジンよりも弱いセメントを用います。
なぜかと言いますと最大の理由は、このセメントの中に
「フッ素が入っており虫歯予防になる」からです。
場所的に歯ブラシの当てにくい場所ですので、この素材の方が
虫歯予防になりますし、また噛み合わせで当たる場所でないので
そこまでの強度も必要としません。
このように高齢者の虫歯治療では臨機応変な治療が求められる
事もあると思います。