院長の奥井です。
今回は前装冠とジルコニアボンドクラウンについて説明したいと思います。
前装冠(ぜんそうかん)とはレジン前装鋳造冠の略で保険診療で使われる
前歯の被せ物の事です。
おおむね神経を取った歯に被せる事が多いのはクラウン=冠となります。
歯を支台歯といい全周を削って被せるものになります。
そのクラウンですが、前歯の場合、保険診療ですと前装冠となります。
最近はCADCAM冠という全てプラスチックのものも出てきましたが
強度が弱いのが難点です。
前装冠とは簡単に言いますと銀歯の外側に白いプラスチックを貼り付けたものに
なります。
画像の真ん中の歯を除いた3本が前装冠になります。
内側が金属になっています。
また矢印のように白い部分がはげてきて金属が露出しています。
また白い部分も変色してきています。
対してジルコニアボンドクラウンは自費診療になります。
ジルコニアというダイヤモンドの仲間になりますが、硬い
素材の白い枠にセラミックを貼り付けたものになります。
青矢印が保険診療の前装冠で黄色がジルコニアボンドクラウンです。
よく見ますと青の方は白さに自然感がありません。
金属を隠すためにこのように濃い平板な色になってしまいます。
それに比べて黄色の方は色に立体感があります。
内側から見た図です。青がジルコニアボンドクラウンです。
全て白で金属を使っていません。
またジルコニアボンドの場合は歯と歯茎に境目に糸を入れて
歯茎を縮めてから型を取りますので歯茎が一時的に下がり
境目まで精密に型をとることができます。
歯茎に糸を入れて外したところです。
歯茎が一時的に下がっています。
型をとった後です。青部分が歯茎の中です。
型取りの材料もシリコーンゴムという自費診療に
用いる精密な材料を用います。
保険診療ですと寒天を使いますので、歯茎の中の部分が
ちぎれてしまいます。
このように型取りの過程も自費診療の場合は変わります。
前歯が見える場所ですので、綺麗で精密なもので被せた方が
理想的と言えます。